【米屋の実験室】冷水・ぬるま湯・熱湯の3パターンで炊飯実験
冷水で炊飯するとお米がおいしく炊き上がるというけど、本当なの?
冷水は手が冷たくなるので、できれば冷水以外でおいしく炊きたいわ・・。
実験してみましょう!
というわけで、北海道のお米屋が「3パターンの水の温度」で炊飯実験をしてみました。
それではさっそく実験に入ります!
実験内容
実験内容は次の通り。
「冷水」「ぬるま湯」「熱湯」の3パターンで炊飯して食べ比べ
- 使用米:北斗米ゆきのつや2合
- 水:水道水
- 水加減:420ml(通常の水加減)
- 浸漬時間:30分
- 蒸らし時間:10分
- 試験員:米屋さん6名で採点
当社の一番人気「北斗米ゆきのつや」で炊飯準備。
まずは水道水でお米を研ぎます。
- 14℃
- 42℃
- 85℃
それぞれの温度で炊飯します。
3パターンを同じ炊飯器で同時炊飯。
炊き上がったお米は軽くほぐし、10分間蒸らしてから試食へ進みます。
それぞれの米を試食します。
先入観を防ぐため、どのお米が何℃の水で炊飯したかは伏せた状態で食べ比べます。
穀物検定協会の食味試験と同じ評価方法で、味・外観・粘り・香り・柔らかさ・総合評価を採点します。
そして、いよいよ結果発表!
実験結果
5段階評価 | 味 | 外観 | 粘り | 香り | 柔らかい | スコア |
Ⓐ 85℃お湯 | 2.6 | 3.0 | 2.6 | 2.6 | 2.3 | 4.3 |
Ⓑ 42℃ぬるま湯 | 3.3 | 3.6 | 4.0 | 3.0 | 3.0 | 6.6 |
Ⓒ 14℃冷水 | 4.0 | 4.0 | 4.3 | 3.3 | 3.6 | 7.7 |
味・外観・粘り・香り・柔らかさの評価は5点満点、スコア(総合評価)は10点満点で評価しています。
おおむね予想どおりの結果になったかなという印象です。
【Ⓐ85℃のお湯】
- ツヤと粘りがない
- 時間が経過するとパラパラになる
- 少しパラっとした食感。硬さもありベタつく
- 少しヌカ臭い
- コメが膨れ上がった感じがする
- 少し硬いがほどよい
- とぎ汁がほかの2つに比べてかなり白く、濃かった
- お湯を入れてから米同士がくっつく、ダマになる
- 炊きあがりの粒感がガタガタしていた
米に硬さを感じるという意見が多くみられました。
【Ⓑ42℃のぬるま湯】
- 冷水Ⓒとさほど変わらない。
- 少し柔らかく感じた
- 少し粒感がある
- 柔らかくて食べやすい甘みも感じた
- 少し硬めで粒感あり 少し甘い?
- 美味しいが冷水Ⓒよりは落ちる
- 若干固く感じた
「柔らかい」「少し硬い」などの感想が入り混じりましたが85℃より食べやすく味も良いという印象です。
【Ⓒ14℃の冷たい水】
- 粘りと柔らかさが一番ある
- バランスが良く粒がしっかりした印象
- 一番つやがあり、適度に粘りがある
- 色も若干白く感じる
- 一番柔らかい少しべちゃっとした
- ふっくらしていて美味しい
- 香りがいい
美味しいという感想が一番多く、他と比べて「柔らかい」「ふっくら」などの声も目立ちました。
米屋の考察
今回の実験では、水温が高くなるほど、「味」「つや」「粘り」の評価が悪く、低温の方が良いという結果になりました。
試食中一番多かった意見は「食感」です。
「冷水14℃」「ぬるま湯42℃」と比較して「お湯85℃」は明らかにお米が硬くて粘りも弱く、水分が飛んでしまったかのような食感でした。
これには次のような理由が考えられます。
お米に含まれているデンプンがおいしさ成分(ブドウ糖や麦芽糖)に変わるのは40〜60℃。水温が高いと、研いでいる段階でおいしさ成分が生成されてしまい、とぎ汁とともに捨ててしまったのではないかと推測します。
また、「冷水」と「熱湯」では食味に明らかな差が出ましたが、「冷水」と「ぬるま湯」に大きな差は見られませんでした。
以上を踏まえて、米屋の結論は次のとおりです。
- おいしいお米を食べたい場合は「冷水」で炊飯がおすすめ
- どうしても冷水がつらい方は「常温」で炊飯するのがおすすめ
炊飯器によっては「熱いお湯で洗米・水加減をしないでください」「5℃~35℃の水を使用してください」など水温に対して注意書きがされているので、ぬるま湯や熱湯で炊飯することはおすすめできませんのでご注意ください。
まとめ
- 水温が高くなるほど「味」「つや」「粘り」の評価が低い
- 40℃以上の水温になるとおいしさ成分が流れ出てしまう
- おいしいお米を食べたい場合は「冷水」で炊飯がおすすめ
- 冷水がつらい方は「常温」で炊飯するのがおすすめ
以上のことを参考にして炊飯時の水温を選択してください。ちなみに北斗米は水を2回程度軽くかけ流すだけでいい「軽洗米」ですので、冷水が苦手な方でもおすすめですよ♪
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