分づき米が危険ってホント?お米屋が解説いたします
こんにちは、北海道東神楽町にあるお米屋「やぎぬま」です。
お客さまから、分づき米に興味があるけれど、「分づき米には毒がある」「分づき米は危険」って聞いたことがあって心配という声をいただくことがあります。
今回は、米屋が分づき米が危険だといわれる原因やその物質について解説いたします。
・分づき米について
・フィチン酸について
・ヒ素について
・アブシジン酸について
・残留農薬について
・適切な保管について
分づき米とは

分づき米とは、精米度合いに応じて、玄米よりも食べやすく、玄米に近い栄養素を残すことが期待できる今大注目のお米です。
白米と比較して、ビタミンB1、ビタミンE、食物繊維、マグネシウム、鉄、カルシウムなどの栄養素が豊富で、玄米よりも食べやすく、炊飯がしやすいため、まさに玄米と白米の「いいとこ取り」といえるお米です。
玄米食に挫折してしまった方や、健康志向の方に人気です。

「分づき米は危険」と聞いたけど大丈夫なの?

さて、ここからが本題です。
分づき米が危険だといわれている原因はフィチン酸やヒ素、アブシジン酸、残留農薬など様々あります。
今回はそれぞれの危険性や性質についてしっかりと解説していきます。
・フィチン酸

フィチン酸は玄米の糠層に多く含まれ、ミネラル(鉄、亜鉛など)の吸収を阻害するといわれることがありますが、結論からいうとその影響は過度に懸念する必要はありません。
フィチン酸は確かにミネラルと結合する性質がありますが、通常のバランスが取れた食生活においては、フィチン酸によるミネラル吸収阻害は全体的な栄養摂取に大きな影響を与えないということが、多くの研究で示されています。
むしろ、フィチン酸には強力な抗酸化作用や抗がん作用など、健康に良い機能性も報告されています。例えば、細胞の酸化ストレスを軽減したり、特定の疾患リスクを低減する可能性が示唆されています。このように、フィチン酸は「ミネラル吸収阻害」という一面だけでなく、「健康促進」という別の側面も持ち合わせています。
また、米を水に浸したり(浸水)、炊飯したりする過程で、フィチン酸は酵素(フィターゼ)によって分解され、その量は減少するともいわれています。
日本食品分析センター フィチン酸についてhttps://www.jfrl.or.jp/storage/file/news_no78.pdf
フィチン酸の栄養的再評価https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs1983/58/3/58_3_151/_pdf
・ヒ素について

玄米にはヒ素が含まれることが知られており、確かに分づき米にもその一部が残存している可能性がありますが、結論からいうと米からのヒ素の摂取量は、健康に影響を与えるレベルではないとされており、一般的な摂取量であれば問題ありません。
ヒ素は土壌や水に自然に存在する物質であり、米が栽培される過程で吸収されます。ヒ素の含有量は、玄米が最も多く、次いで分づき米、白米の順に少なくなります。
分づき米は、玄米よりヒ素の含有量が少ないため、より安心して摂取できます。さらに、日本の土壌由来の米は、海外の米と比較してヒ素の含有量が低い傾向にあります。
またヒ素は水溶性のため、米を洗米する過程などで、ヒ素を減らすことが可能です。
通常の食生活の量であれば気にする必要はなさそうです。
ちなみに玄米の20倍もヒ素が含有しているひじき(水戻し)でも通常の食事量であれば問題ないとされています。
ヒ素に関する回答(農林水産省)https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/qa.html#4
食品に含まれるヒ素の実態調査(農林水産省)https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/occurrence.html
・アブシジン酸(ABA)について

様々なリスクの可能性について書かれていますが、結論からいうと、食品安全委員会でもアブシジン酸についての安全性が公表され、アメリカなどの研究機関でも健康を害するリスクがないことが証明されています。
また、アブシシン酸は植物ホルモンの一種で、玄米にも微量含まれますが、柑橘類や様々な食物に含まれており、農薬ではありません。
食品安全委員会の評価によると、アブシシン酸を含む食品の摂取では毒性が認められず、すでに広く摂取されている物質であるため、通常の使用範囲では健康へのリスクはないと結論付けられています。
アブシジン酸について(食品安全委員会)
https://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/iken-kekka/kekka.data/pc1_no_abscisicacid_031006.pdf
・残留農薬に関して

分づき米は糠層や胚芽が一部残る分、玄米よりはリスクが減るものの、白米よりは農薬が残留しやすい特徴があります。農薬成分は油脂に溶けやすく、糠層に付着・蓄積しやすいため、精白度が低い分づき米では、白米に比べて残留農薬のリスクがやや高まると言われています。
しかし、日本では食品の残留農薬等に関する基準を設定し、基準値を超える食品の製造・販売を食品衛生法で禁じているので、市販のお米(玄米・分づき米・白米を含む)は基準以下の残留農薬量であるとされています。
さらに、洗米や浸水、炊飯などの調理過程でも農薬残留量は低減されるといわれています。
心配な方は農薬を減らして作ったお米を選ぶことでさらにリスクをゼロに近づけることができます。ちなみに柳沼で販売している北斗米は全て農薬節減米で、さらに有機JAS認定を受けたオーガニック米も取り扱っております。


・その他の懸念(カビ、保存方法など)と適切な対処法

胚芽や糠層が残っている分づき米は、白米に比べて酸化しやすく、保存方法を誤ると品質劣化や、虫の発生、カビのリスクが懸念されます。
しかし、適切な保存方法を実践すれば、これらのリスクは十分に管理可能です。
具体的には、密閉容器やペットボトルに入れ、冷蔵庫の野菜室など低温で湿度の低い場所で保存することが推奨されます。
それが難しい場合でも、密閉容器で、できるだけ湿気の少ない日陰で保管しながら精米後1ヶ月以内を目安に食べきることで、虫の発生やカビ等の品質劣化を防ぐことができます。
お米も「生鮮食品」という考え方で扱うことで、安全においしく召し上がることができます。

まとめ
・フィチン酸の危険性は低い。むしろ健康促進のメリットがある。
・ヒ素が含まれている可能性はあるが、健康に影響を与えるほどではない。
・アブシジン酸による健康へのリスクは極めて少ない。
・残留農薬は、白米に比べるとやや多い。しかし、食品衛生法で基準値が定められているため、危険性は低い。
・分づき米を買うなら農薬節減の北斗米ななつぼしがおすすめ。
・白米に比べて酸化やカビが発生しやすいため、適切な保管方法が必要。
分づき米は玄米に近い豊富な栄養素を手軽に取り入れることができます。
フィチン酸やヒ素、アブシジン酸などの成分が危険という過度な心配は、通常の摂取量であればほとんど気にする必要はありません。
また適切な保管方法を心がけることで、品質の低下やカビ、虫の発生リスクも抑えられます。
健康効果が期待できる抗酸化作用や食物繊維、ビタミン・ミネラルを効率よく補える分づき米は、玄米食にハードルを感じていた方にもぴったりの選択肢です。
株式会社柳沼では、皆様の健康と安心を第一に考え、農薬節減米や有機JAS認証米など質の高いお米を販売しております。

本記事が、分づき米への理解を深め、皆様の食卓をより豊かにする一助となれば幸いです。


