北斗米記事

北斗米はこうして作られる〜丹精込めた作業の数々に迫る〜

北斗米はこうして作られる
hokutomai23

北斗米の栽培は、昭和63年から当社(株式会社やぎぬま)と北斗米生産者が、二人三脚で取り組んできました。

生産者北斗米の栽培、収穫
やぎぬま土壌診断、肥料設計、生育のアドバイスなど

それぞれが役割を分担し、その土地に合う方法でおいしいお米を作ります。

やぎぬま社員と北斗米生産者

本記事では、次の点をわかりやすく解説します。

北斗米ができるまでのプロセス
  • 肥料のこだわり
  • 土づくりのこだわり
  • 農薬のこだわり
  • 北斗会生産者の声

北斗米が食卓に届くまでの物語をご覧ください。

北斗米はこうして作られる〜おいしいお米ができるまでの物語〜

北斗米が出来るまで、年間作業

北斗米作りにおける1年間のスケジュールです。

  1. 田んぼ準備・苗づくり
  2. 田植え
  3. 水管理・畦草刈り
  4. 収穫

まずは、3月から始まる田んぼの準備を紹介します。

①田んぼ準備・苗づくり

ハウス除雪

3月上旬、農家の作業はハウスの除雪から始まります。

雪を豪快に15mも吹き飛ばします。

ハウス除雪 アップ

家庭用の除雪機と比べると、すごい迫力!

 

ハウスビニールかけ除雪をして作業スペースを作り、ビニールをかけます。

やぎぬまくん
やぎぬまくん

少しでも風があると、ビニールが暴れて大変な作業になります。ハウスが長くなるほど人数が必要なんですね。

ハウスの中で何をするの?

ハウスで育てた苗
ハウスで育てた苗

ハウスでは苗を作り、田植えが可能な大きさまで成長させます。写真の状態まで育てます。

やぎぬまくん
やぎぬまくん

これから苗づくりのプロセスをじっくりとご紹介していきますね。

苗づくりをする理由

昔は、種もみを田んぼに直接まく直播(ちょくはん)を行っていました。しかし、北海道の5月は気温が低いため初期成育がうまくいかず、収量が安定しません。

やがて、農業機械の進化に伴い、苗を作って田植えをすることで、収量は上がり安定的な栽培が可能に。こうして、田植え機で植える「苗」を作るようになりました。

モミまきの準備

モミまきのための箱
この箱に土を入れ、モミをまき、発芽させます

田植え機に積み込む箱に、

  • モミをまく
  • 発芽させる
  • 育てる

という工程がありますが、まずはモミまきから。

種もみ 浸種
種モミを水に浸ける「浸種」

はじめに、種モミを7~10日ほど水に浸けます。

種モミの芽を少し出しておくことで、低温時期でも早く土から出るからです。発芽も均等になり、生育差もなくなるのも利点。

ただ水に浸けておけば良いというわけではなく、2日に一度は新しい水に取りかえ、水の温度を11~13℃保つ必要があります。

やぎぬまくん
やぎぬまくん

水の温度が低いと芽が不ぞろいになり、高いと苗の病気になりやすくなります。管理が大変です!

種もみ 催芽
催芽させた種モミ

写真のように少し芽が出たら準備はOKです。

100℃が目安

水に浸ける積算温度が100℃に達したところで、水温度を32℃に上げ、24時間で一気に芽を出します。(13℃の水×8日浸ける=104℃の積算温度)

モミまき

モミ播き機
モミまき機

ようやくモミまき作業が開始。

苗箱(60cm×30cm)に種モミをまきます。

やぎぬまくん
やぎぬまくん

専用のモミまき機で、1時間に700枚も作れるんですよ!

種もみ

準備してきた種モミを入れると・・

 

播種

あとは機械がすごい速さで仕事をしてくれます。

苗箱

土の中にモミが入った箱は、ハウスに運ばれます。

育苗

苗床伏せ込み

ハウスの中に箱を並べる作業。

育苗注意点

育苗管理は失敗がゆるされません。

温度や水管理には細心の注意を払いながら作業をします。

発芽

ハウスに並べて5日後には、発芽。

苗灌水

ここからは約1か月間毎日、水をかけたり、ビニールハウスのすそを開けて温度調節をするなどの作業を行います。

日が照ると、閉め切ったハウス内の温度は40℃以上にもなります。

やぎぬまくん
やぎぬまくん

苗は30℃以上の高温にあたると障害が出てしまうため、温かくすれば良いわけではないんです。

稲の苗

こちらは、順調な苗。ハウスの奥まで草丈もきれいに揃っていますね。

苗立枯病

こちらは、大丈夫?

少し色の変わった部分がありますが、「苗立枯れ病」という病気になった苗です。

土の中にカビが繁殖し、根が腐り、枯れはじめています。

田んぼの準備

苗づくりと同時に田んぼの準備も進めます。

田んぼ起こし4月下旬、雪がなくなり土が乾いたら、田起こしのスタートです。

田起こしとは

田んぼの土をほぐす作業。土中に空気が入ることで微生物が活性化し、健康な土になります。また、根が張りやすくなり、水を含みやすくなるため、作物の成長に良い影響を与えます。

有機肥料 ホクトぼかし

田起こしが終わり、5月に入ると肥料をまきます。

北斗米専用肥料「ホクトぼかし」を10aあたり、100~180kgと、たっぷり使います。

肥料散布機(ブロードキャスター)

肥料散布機(ブロードキャスター)に、いっぱい入れて準備完了。

肥料散布

まきムラが無いように気を使います。

 


代かき

肥料散布が終わると、水を入れ「代かき(しろかき)」を行います。

 

代かきとは

田んぼに水を入れ、土を砕いて平らにする作業です。稲に栄養を取り込みやすくし、健康的に成長させるために、田植えの前に行う重要な準備です。

代かきが不十分だと、田植えがうまくいきません。

トラクターは時速2~4kmで、ゆっくり丁寧に作業します。

田んぼ風景

代かきが終わった水田に水を張り、あとは田植えを待つばかり。

②田植え

苗拡大
1ヶ月間、大事に育てた苗
  • 苗の長さは11~13cm
  • 葉の枚数は4~4.5枚

手塩をかけて育てた苗が、上記のようになると完成。いよいよ田植えです。

やぎぬまくん
やぎぬまくん

例年、5月15日頃から田植えが始まります。

苗はがし

まず、ハウスに並んでいた箱を一枚ずつ手作業で取っていきます。

 

苗積み込み

軽トラに積み込みます。

 

苗 田植え機 積み込み

田んぼに運び、田植え機に苗を補充。

 

田植えは人数が必要

稲刈りは頑張れば1人でもできますが、田植えは3〜5人は必要です。人がいるほど作業が早くなるので、この時期はアルバイトを雇う農家も多いです。

田植え

こうして田植えがスタート。

苗運びの人は、田植えをしている間に次の苗をハウスから運んできます。

苗運びは大忙し

ハウスと田んぼを行ったり来たり、1日に10〜15往復ぐらいします。想像するだけでかなり大変なのがわかりますね。

 
田植え後の苗

手間ひまかけて育てた苗が田んぼに植えられました。

③田んぼの管理

忙しい田植えが終わると、ホッと一息ついて何日か体を休め・・

なんて暇はまったくありません。

すぐに田んぼの管理が始まるからです。

畦刈り

農家さんが一番嫌いな作業、畦草刈の始まりです。

 

やぎぬまくん
やぎぬまくん

・炎天下の中、朝から晩までやり続ける
・同じ動きの単純作業
・草刈り機のエンジン音がうるさくて、音楽やラジオも聞けない
・疲れる

こんな理由で嫌われます。

実は、畦に生えている草の根のおかげで強度が保たれています。

除草剤をまき、畦草の根が枯れると、畦がボロボロに崩れたり水漏れの原因に。刈らないと病気や害虫が増えるので必要な作業です。

 
畦刈り 急斜面

こんな急斜面でも頑張って刈ります。

田んぼの雑草

田んぼに水を張ると雑草を抑えられますので、土が出ないよう水管理はしっかりと行います。

上の写真は、一時期、土が出て雑草が生えてしまいました。

稲のあかちゃん・幼穂

【田植えから約30日後】

6月25日ごろになると、お米の赤ちゃんができてきます。

この時期は、幼穂形成期(ようすいけいせいき)といって、とても大事な時期です。

 

やぎぬまくん
やぎぬまくん

低温になると、花粉の量が減り、不作になりやすいのです。

幼穂 成長

7~10日ほどでこんなにも大きくなります。モミの形まで確認できますね。

出穂

【田植えから60日後】

7月25日頃、しっかりと育った穂が出てきます。

やぎぬまくん
やぎぬまくん

穂が出てから45日後に稲刈りができる予定です。

稲の花

天気が良ければ、穂が出ると同時に、「稲の花」が咲きます。

見えているのが「おしべ」で「めしべ」はモミの中にあって見えません。

受粉後7~10日後に胚乳が形成され、でんぷんが溜まり始めます。

モミが太り始めると、次に気をつけることは虫の被害です。

 

虫すくいどり

田んぼで、遊んでいるわけではありません。

虫取り網で、「すくい取り」をして田んぼの害虫発生状況を確認します。

 

アカヒゲホソミドリカスミカメムシ
アカヒゲホソミドリカスミカメムシ

斑点米の原因になるのが「カメムシ」

やぎぬまくん
やぎぬまくん

正式名称は「アカヒゲホソミドリカスミカメムシ」です。長すぎる・・。

斑点米
斑点米

カメムシは玄米のデンプンを溶かしながら吸ってしまうため、黒い斑点のようになります。

やぎぬまくん
やぎぬまくん

これが多いと2等米や3等米になってしまいます。

予察台
予察台

すくい取り以外にも、予察台を5か所設置して調査をおこないます。

夜の予察台
夜の予察台

カメムシは夜行性で、光に集まる習性があります。

蛍光灯(補虫灯)をつけて、毎日調査。

予察台 一晩

一晩で、こんなにつかまります。

黒っぽく見えているものは全部、虫。

虫の発生具合を調査し、生産者に防除の実施を促します。

稲生育

そんなこんなで、田んぼの管理をしているうちに穂が下がりはじめ、稲刈りが近づいてきます。

④収穫

稲 黄金色

【田植えから100日後】

9月10日頃、黄金色に染まり、いよいよ稲刈りの開始です。

稲刈り

大型のコンバインは、1日に2haの面積を刈り取ることができます。

モミ排出

刈り取ったモミはトラックへ。

 

モミ排出

コンバインからモミを排出中。

 

稲刈り終了

こうして次々と稲刈りが進んでいきます。

 

やぎぬまくん
やぎぬまくん

田んぼの面積にもよりますが、7〜10日ぐらいですべての作業が終わります。

乾燥機
乾燥機

トラックに積まれたモミは、乾燥機にかけ水分を15%前後まで乾燥させます。

乾燥させる理由

収穫後のモミは水分を多く含むため、保管時にカビが生えたり発酵が進むなど、品質が悪くなりやすいです。そのため、乾燥して良い品質で保管します。

籾摺り機
モミすり機

その後、モミすり機(モミから玄米にする機械)にかけられます。

そして、粒の大きなお米だけを選別し、製品になります。

米集荷最後に袋(紙袋、樹脂袋、フレコン袋)に入れられ出荷。

こうした数々の作業や工程を経て、北斗米が作られます。

やぎぬまくん
やぎぬまくん

お米づくりには八十八の手間がかかっていると言われますが、本当に多くの手間がかかる大変な仕事なんですね。

集荷後の様子も知りたい方は、次の記事をご覧ください↓

あわせて読みたい
北斗米が自宅に届くまで
北斗米が自宅に届くまで

北斗米「肥料」のこだわり

北斗米づくりには、独自に配合した有機質100%の肥料「ホクトぼかし」を使用しています。

原料は、魚の「身」や「内臓」が中心。

このホクトぼかしをふんだんに使い、田んぼに適した「土」を作ります。

北斗米「土づくり」のこだわり

やぎぬまでは、北斗米生産者の田んぼから土を採取し、「土壌分析」を行います。

  • HP(水素イオン濃度)
  • EC(電気伝導度)
  • 窒素
  • リン酸
  • 加里
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • マンガン

の成分を調べることができ、田んぼに合わせた肥料設計を行うことで、美味しいお米が獲れやすくなります。

やぎぬまくん
やぎぬまくん

土壌の栄養状態を測定し、不足している栄養素を正確に把握して対策します。

北斗米「農薬」のこだわり

 一般栽培米北斗米
種子消毒0〜3回0回
床場殺菌2〜3回0〜2回
床場殺虫1回0〜1回
除草剤6回3〜4回
防除10〜12回1〜4回
合計22回以下4〜11回

米作りの農薬使用回数比較【表】

特に防除(病害虫などの予防と駆除)の回数が圧倒的に少ないのがわかると思います。

やぎぬまくん
やぎぬまくん

農薬の回数を減らすことで、食品の安全や水田周りの環境に配慮して、北斗米を栽培しています。

北斗米は「ネオニコチノイド系農薬」不使用

ネオニコチノイド系農薬不使用

ネオニコチノイド系農薬とは、「ニコチン」に似た化学構造を持つ農薬の総称で、「ネオニコ」とも呼ばれます。

ニコチンには虫の神経を興奮させて殺虫する効果があるため、この性質を利用します。

この農薬は、虫に効いて人には安心と、世界でも広く使われてきました。ところが近年、「環境や人体への影響」を指摘する報告が続き、海外では規制に取り組む動きが広がっています。

やぎぬまくん
やぎぬまくん

日本では規制が緩くまだまだ使用されていますが、北斗米づくりには一切使用していません。

北斗会生産者の声

生産者Aさん
生産者Aさん

天候などの条件により、収穫量や味などが毎年微妙に変化するため、苦労しない年はありません。皆様においしく食べてもらえるよう、丹精こめて栽培していますので、これからも北斗米をよろしくお願いします。

生産者Iさん
生産者Iさん

昨年も満足のいくおいしいお米が出来ましたが、今年はそれ以上を目指し、手間を惜しまずガンバります!

生産者Yさん
生産者Yさん

後継者として農業を始めて10年目です。今までの反省を生かし、もっとおいしいお米を作れるように努力していきますので、応援をよろしくお願いします。

生産者Oさん
生産者Oさん

お米作りを作り始めてから40年以上たちますが、同じ年はなく、毎年が1年生です。病気・害虫等の発生に作物を作る難しさを感じます。それでも、一年間努力して、一生懸命作った北斗米は、本州のお米にも負けないと思っています。

生産者Kさん
生産者Kさん

北斗会発足時から有機肥料をふんだんに使い、消費者に「おいしい」という言葉を聞きたくて栽培してきました。消費者の喜ぶ顔が見られるよう作りますのでぜひ食べてください。

「北斗米はこうして作られる」まとめ

まとめ
  • 北斗米は、生産者とやぎぬまの二人三脚で作られる
  • 準備から収穫まで、驚くほど多くの手間がかかっている
  • 独自配合の有機肥料「ホクトぼかし」を使用
  • 土壌診断をしてその土地に合う土を作る
  • 北斗米はネオニコチノイド系農薬不使用

北斗米づくりの準備から収穫、出荷までのプロセスを詳しくお伝えしました。

北斗米は、生産者とやぎぬまが密接に繋がることで、こだわりたっぷりの美味しいお米になります。

ぜひ、当社自慢の「北斗米」をご賞味くださいませ。

やぎぬまくん
やぎぬまくん

北斗米はオンラインショップで購入できますよ♪

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プロフィール
北斗米のやぎぬま
北斗米のやぎぬま
北海道東神楽町のお米屋さん
北海道東神楽町で独自ブランド米「北斗米」を販売する米屋です。地元のお客さまを中心に月間3000件以上に配達。オンラインショップやふるさと納税でもご好評いただいています。
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